「丹波が好きだ」

2010.07.20
未―コラム記者ノート

「篠山が大好きで、ここでの暮らしは最高です」。神戸市から篠山市へ移住した男性を取材したときに聞いた一言。思わずドキッとした。 彼の夢は自給自足の生活。自分が食べる分だけの野菜や米をつくり、土に触れた生活をしていきたいのだそう。そして、その夢をかなえる舞台にこの丹波地域を選んだ。 丹波市でも、農家として移住した夫婦を取材したことがある。2人もしきりに丹波が大好きと話しておられた。 そんな人たちを見ていると、なんだかうれしい気持ちがこみ上げ、「よう来てくださった。ささ、まぁ一杯」などと言いながらお酒を酌み交わしたくなる。 都市への人口流出は依然として続き、少子化の波も止まらない。まちの活気は確実に損なわれつつある。住んでいる私たちには、なかなか「最高」と思える瞬間が少ない。 そんな中で、この土地を気に入ったと言ってくれる人たちがいることを読者のみなさんには知ってもらいたいのです。彼らと一緒に魅力を再発見しながらまちをつくることが、地方に残された希望なのかも。  (森田靖久)

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