2日間にわたって催された篠山、夏の風物詩「デカンショ祭」。私にとっては、初めてのデカンショ取材。それは、とても暑い、熱い夜だった。 太陽が西に傾きかけたころ。お囃子の音色とともに、「ヨォーイ、ヨォーイ、デッカンショ」の歌声が会場に響きだした。そろいの浴衣や法被に身を包んだ老若男女が一斉に踊りながら練り歩く。 ワオ、なんて一体感。テープではなく、生の音がいい。学生時代によく行ったロックフェスティバルを思い出す。音楽を媒介にみんなが一体になるという点で、デカンショもロックだ、と一人納得。 写真を押さえると同時に走りだす私。同僚記者の冷ややかな視線も、噴き出る汗も気にせず、見よう見まねで踊り狂った。興奮の中、見知らぬ人と握手、ガッツポーズ、ハイタッチ。誰でも主役になれる祭り、それがデカンショです。 一夜明けると、いつもの日常が始まった。「祭りのあと」というと、さびしさを覚える人も多いだろうが、私は違う。もう来年が楽しみになっているのです。みなさん、来年は一緒に踊り明かしましょうぞ。 (森田靖久)