篠山市本郷のギャラリー喫茶「森の時計」で30日まで作品展を開いている大塚夫妻を取材した。私との年齢差は親子ほど離れているが、自然好きの共通点から10年来のお付き合いをさせていただいているおふたり―。 旦那さんの剛二さんは篠山のファーブルの異名を持つほど(私が勝手に呼んでいるだけかも)の昆虫好き。自然界において、必死に保護色を効かせて隠れ潜む虫たちを瞬時に見つけては捕らえ、種類を同定。生態を解説するという特殊能力は、もはや神業。奥さんの千鶴子さんは、旦那さん仕込みの昆虫知識もさることながら、山菜の知識が豊か。数年前、山菜採りに同行した際、山すその小道を10数メートルも歩くと、何種類もの山菜がかごの中に集まった。またその調理方法も「天ぷら」一辺倒の私とは違い、実に多彩で感心させられた。 さて作品展の中身だが、剛二さんが昆虫写真、千鶴子さんがつる細工を展示。それらを取材中、話はどんどん脱線し、世間話で時間が過ぎたが、それでも記事がすらすらと書けたことに、このご夫婦との付き合いの長さと深さを改めて実感した。 (太治庄三)