走る

2010.08.02
未―コラム記者ノート

 約2年ぶりの篠山担当。顔を覚えてくれている人もおり、ありがたいばかりだ。そんな人たちが口をそろえて一言。「あれ、太った?」。えぇ、少しね、ビールがおいしくてね…。というわけで、最近ジョギングを始めました。 すると、車では気づくことの少ないたくさんの発見があり、なかなか楽しい。 アクセルひと踏みの距離にも息が上がる。昔なら軽く走っていたのに。年ですかね。 次ににおい。香る草花、飲食店の換気扇、車の排気ガス。世の中いろんなにおいに包まれていたんだなぁ。 そして、生き物たち。集会に集まった猫、あら、イタチちゃん、ホーホーミミズクさん。先日などは、明らかに遅れて羽化してしまったホタルに出合った。どうした、おいてけぼりかい。彼女が見つからないのかい。 こんなにもいろんな感覚を刺激されたのは久しぶりだった。文明の利器とは、便利さと引き換えに、感性を鈍らせてしまうのだろう。たぶん、それはかなり恐ろしいことだ。 思案にふけりながらひた走る私のすぐ前を、赤いテールランプが遠ざかっていった。(森田靖久)

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