改善も赤字トップ

2010.09.25
未―コラム記者ノート

 2009年度の県立柏原病院の収支が08年度より5億6000万円改善し、9億9300万円の赤字となった。改善額は県立12病院で2番目で、赤字額はトップ。県立病院群の赤字総額の半分相当額を1病院で生んでおり、喜んでばかりもいられない。 急性期医療を提供する民間病院は、最低200床はないと生き残れないと言われている。高コスト体質の自治体病院で、現在の県立柏原の116床という規模では、現場が最大限の努力を払い、365日満床を続けたとて赤字が生じる。医師と看護師を増やし、病院規模を拡大した上で、ベッド稼働率を高めることが経営改善だが、それが容易ならざることは、ご承知の通り、だ。 病院が提供する医療の程度をはかる目安の1つに、患者1人の1日あたりの入院単価がある。県立柏原は3万9675円。5万4000円を超えている尼崎は別格として、塚口4万1740円、西宮4万3198円、加古川3万3861円、淡路4万3243円と、他の県立病院と遜色ない。病院規模が小さく赤字は大きいが、医療水準自体は遅れを取っていないことを記しておく。(足立智和)

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