病を超えて

2010.09.15
未―コラム記者ノート

 「生きていることに感謝したい」「もっと自分を好きになってあげて」―。 心臓破裂を起こしながらも九死に一生を得た人、がんが見つかっても、懸命に闘病生活を送る人。最近、そんな人を取材する機会が相次いだ。 彼らは単に病に打ち勝っただけではない。命に感謝し、元気にがんばる姿を披露したり、自分の経験を人に伝えたいと、イベントを企画したり。 経験に裏打ちされたその言葉は説得力があり、真摯な姿や行動力には、大げさだけれど「生命力」を感じた。 私なんか風邪をひいたときでさえ、うんうんと唸りながら健康な体に思いをはせ、一人のた打ち回る。彼らの姿と比べれば、なんとも恥ずかしいことです。 心と体のどん底から這い上がってきた。きっと、私のつたない記事などなくても、応援してくれる人は自然と集まる。それでも、こんなにもがんばっている人がいることを多くの人に知ってほしい。 彼らに共通することは、自身の命と周囲への感謝。文字になれば当たり前のことに見えるけれど、決して当たり前ではないということを教わった気がした。(森田靖久)

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