研修医獲得の陰に

2010.11.06
未―コラム記者ノート

 10月28日に来年4月に就職する研修医の行き先が公表され、県立柏原病院でも3人を迎えられることになった。「もしかしたら2人で、1人欠員が出るかもしれない」との観測も院内にあり、定員枠の充足は、大きな喜びをもって迎えられた。 厚生労働省の求める一定の要件を満たした病院しか、医師免許取得後1、2年目の医師を迎える臨床研修病院の指定を受けることはできない。厚労省は、2年連続希望者がいない病院は研修指定を外す方針で、2年間研修希望者がゼロだった柏原病院も外されるのが既定路線だった。それを覆したのが、大西院長だ。粘り強く厚労省の出先機関と交渉し、枠を守ったことで、首の皮が1枚つながり、今春2人の研修医を迎える実績ができ、今年は定員枠1人分増えた。 院外や非医療者からは見えにくく、小児科を守る会ほどの注目は浴びてはいないが、2年間ゼロの病院が再び研修医を集められるようになったことは、奇跡的な出来事だ。労をとっていただいている院内関係者の努力に心から敬意を表したい。(足立智和)

関連記事