岩手県は医師不足が著しく、この半年で3度、地域医療を守る丹波の住民運動について話す機会を頂いた。3月5日に岩手県医師会館(盛岡市)で出会った三陸海岸の病院の院長、勤務医の方々が、一週間後に大災害に見舞われるとは夢にも思わず、被災地の映像を見るたびに、医師の顔が浮かび、苦しくなる。
岩手県宮古市北部の田老地区。人口4000人ほどの地区の住民の健康を支えてきた医師はたった1人。月のうち1日も休みもないような環境で、住民に尽くしてこられた先生と個人的にやり取りをしていて、盛岡でも2人で会を抜け出した。幸いにも、難を逃れられ、自転車で避難所を回りながら診察を続けておられることをインターネットで知った。24日に岩手のローカルテレビで診療のようすが流れ、放送を見た人が、「ヒゲは伸ばしっぱなしで、クマも深く、しかし笑顔でどの患者さんにも笑顔で接している様子を見て、胸が打たれた」と、連絡をくれた。
支援したいが、何が必要なのか、連絡が取れず状況が分からない。待っていた公共交通が復旧した。必要物資を聞き取りに行こう。(足立智和)