何のために

2011.04.30
未―コラム記者ノート

 「我ら女川魂は落ち込む為に生かされたんじゃないんだ。ぜろから立ち上がってみせ、子どもたちの明日を、子どもたちの未来を、みんなで力を合わせて創る使命の為に、天に生かされたんだ」
 津波で壊滅したまちの避難所に張り出されていた詩。読み終えた瞬間、涙が溢れた。
 4月24―28日、東日本大震災の被災地、宮城県女川町でボランティアを行ってきた。
 帰着後、一つの話題が耳に入る。篠山市の酒井隆明市長が被災地を訪問するという。
 一市長が自身の目で現実を見に行くという行動には敬服する。義援金130万円も被災市町に直接寄付するそうだ。
 私が活動した女川にも芸能人が見舞いに訪れていた。しかし、中には物資も持たず、態度の悪い人もいたらしい。「何をしにきたのか」と、怒りを露わにする被災者もいた。
 行政の長として訪問する以上、「今後の支援のために」という立場を明確にし、「篠山は率先して復興を支える」との誓いを立ててもらいたい。
 被災地では未来のためにと懸命に生きている人々がいる。復興へ、彼らも私たちも、全ての行動に「何のため」が求められている。(森田靖久)

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