妻と5歳と4歳のわが子を連れて、このゴールデンウイークに山菜採りに出掛けた。狙うは、山菜の王様「タラの芽」―。
やぶをかき分けて小川を渡ったり、ガレ場を歩いたりと、小さな子どもたちにとってはちょっとした探検気分。いつもよりハイテンションで、山の中に子どもたちの歓声が何度もこだました。妻はというと、すっかりハンターの目つきに。長い竹竿の先端に鉤針状のフックが付いた自作のタラの芽採り棒を、いつの間にか巧みに操れるようになっており、タラの芽を見つけるやいなや、手際良く枝からもぎ取っていた。
昼前に帰宅し、採りたてのタラの芽を早速天ぷらに。子どもたちもおもちゃの包丁を持ってきて「手伝うわ」と大張り切り。
揚げたてのタラの芽に、さっと塩をひと振りしてほおばると、さわやかな春の香りが口の中に広がった。普段は野菜を嫌う子どもたちも、「めっちゃ、おいしい」と大きな口を開けてパクついていた。自分たちが山の中を歩き、探し集めてきたそのことが、余計に食欲をかきたてるのだろう。これぞまさしく「食育」だ。(太治庄三)