篠山の夏。それはデカンショの夏と言っても過言ではないと思っている。
今年もまたやってきた8月15、16日。昨年来、その虜になっていた私は、ずっとこの日を待っていたのです。
今回はじっくりと祭りを楽しもうと思っていたが、やはりあの音色が聞こえてくるともうだめ。
取材もそこそこに走り出す私。そして、同僚記者の冷ややかな視線。既視感さえ覚えながら、踊りの輪に加わった。
「ヨーォイ、ヨーォイ、デッカンショ!」
来た、来た。この一体感。ただただ踊るためだけの生き物と化した人々が、無心にデカンショを舞う。
篠山支局に赴任して1年半。顔見知りも増え、輪の中でたくさんの人が声をかけてくれた。踊り狂う私を見て、知らぬ振りをする人もいたが。
興奮の終演。またしても、見知らぬ人と握手、ガッツポーズ、ハイタッチ。今年も言う。「誰でも主役になれる祭り」。それがデカンショです。
東日本大震災の被災地に向けた復興の花火も上がった。みんなが元気になったはずだ。来年を楽しみに、日々の仕事に励もう。(森田靖久)