カメラをぶら下げて、篠山市内の石仏めぐりに出かけた。以前なら見向きもしなかったが、30歳ごろから、地蔵をはじめとする石仏や社寺仏閣の雰囲気など“神がかり”的なものに関心が向くようになった。それらを写真に収めようと車でめぐっていて、ふとひらめいたのだが、この石仏を所要時間を競わないオリエンテーリングの要領でめぐる「石仏探し」で観光客を呼び込むことはできないだろうか―。
市内に点在する無数の石仏を探し求める小旅行。オリエンテーリングのゲーム性が加味されたドライブは目的のないそれよりも数段、楽しいものになるだろう。携帯電話やスマートフォンのGPS機能、QRコードの読み取り機能などを活用したガイドマップを作ることで、若者の関心も高まるように思う。さらにはマップづくりを進める上で、地元民である我々もまた、地域の魅力を再発見することにつながるのでは。
現代人、特に都会の人たちには宗教観も含めて、心の落ち着く場所、魂の拠り所がない。そういう価値観の発見もこの「石仏探し」には期待できるのではないだろうか。(太治庄三)