産科「代替わり」に思う

2012.01.28
未―コラム記者ノート

 県立柏原病院の産婦人科に4月から新たに3医師が着任し、新体制で運営される。1994年の着任以降、17年、丹波地域の産婦人科医療を支え、同病院の産婦人科発展に多大な貢献をしてきた副院長と部長の時代は終わる。副院長は3月末で退職、部長は4月以降も診療を続けられる。
 「代替わり」し、産婦人科診療が続くことはありがたいが、2人が病に倒れる悲劇があっての「代替わり」に複雑な思いを抱く。倒れるまで、「後任探し」がなかった2人の胸中は、いかばかりか。
 仮に副院長が復帰すれば、産婦人科医の頭数に数えられ、「代替わり」はなかっただろう。「次に倒れる日」まで、同じように働き続けなければならなかったことは想像に難くない。不幸だが、「潮時」と言えないこともない。
 1月26日号で「副院長退職」の記事を書いた後、「副院長にお世話になった」「助けてもらった」と声をかけられた。その思いは本人に届けてほしい。3月末まで籍がある柏原病院に手紙を送るのが確実だ。あらゆる世代の女性と赤ちゃんの「命」に寄り添ってこられた。多年の労に、感謝の言葉を届けてほしい。(足立智和)
 

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