「ES」に価値はあるか

2012.03.07
未―コラム記者ノート

 1年前、郵便局の横にある喫茶店で、企業の採用試験の応募用紙「エントリーシート(ES)」を書いていた。4月はじめに採用試験を行う企業の多くは、2月下旬から3月第2週月曜日の間に応募締め切りを定めている。この時期のスケジュール帳は締め切りの日付で埋まり、「3・11」はそのラストスパートだった。
 ESの内容は会社によってさまざまで、▽履歴書▽志望動機▽小論文―などが組み合わさっている。証明写真を撮って、大学の証明書を取り寄せ、締め切りぎりぎりまでESを書き込む。速達で出すと1通が1000円を超えた。
 記入する内容はパソコンに下書きしていたので、「手書きしなくても、データで送ればいいのではないか」と思いながらペンを進めていた。1000円と多くの時間をかけて、多くの紙資源が浪費されると思うと、やるせなくなった。だんだんとインターネットで行う会社が増えているが、普及には遠い。
 街にでると就活生が目立ってきた。その多くが授業を犠牲に、採用試験を受け、ESを書く生活を送っている。少しでも楽なものになってほしい。(河本達也)
 

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