失恋した友人へ

2012.05.31
未―コラム記者ノート

 篠山に住む友人のA君が失恋した。20歳の彼はまっすぐで、こちらがつらくなるほどの落ち込みよう。甘酸っぱく、はがゆい恋だった。
 20歳といえば、私にとっては10年前。恋愛がわからず、無我夢中で暴走し、壁にぶち当たっては泣いた。A君とまるで同じだ。今も「わかっている」とは言いがたいのだが。
 よく「時間が一番の薬」という。きっとA君も10年経てば、失恋を笑って話せるようになるだろう。時間の経過は等しく誰にも与えられ、良いことも悪いこともどんどんと遠ざかって、薄れていくのだから。そして、思い出が経験値になって、人としての成長につながるのだと思うから。
 篠山が大好きな彼。結婚しても、地元に住むと言っていた。仕事もわざわざ市外へ通っている。若者の流出が叫ばれる中、貴重な人材。植物なら保護してもいいレベルだ。
 A君に一言。君は知らないだろうが、将来の篠山を背負って立つという大役がある。失恋に負けていないで、前を向いて行こうじゃないか。読者のみなさんにお願い。私たちの地域にいる、ちょっと不器用で、でも純粋な若人に、心の中でエールを!(森田靖久)

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