受験生と県民に謝罪を

2012.08.09
未―コラム記者ノート

 県庁での県立柏原看護専門学校の丹波市への移管の記者発表。「行革」の名のもと、一方的に廃校を決め、学生募集を停止した県病院事業副管理者に、「柏原看専を受験しようと思っていたが、無くなるのであきらめた人がいる。そういう人や受験生に申し訳ないと思わないのか」と、見解をただした。「受験はこれからなので受けようと思っていた人が受けられないということはないと思うが、一時的に残念という思いを与えたことは申し訳ないと思う」との答えだった。
 「一時的」―。永久になくそうとした側から、こういう言葉が出るのは甚だ遺憾だ。
 さらに遺憾なのは、「受けられないということはない」だ。受験生は、高校生ばかりでない。働きながら、家事をしながら受験する人が一定数いる。昨年10月の「閉校決定」で、通える距離だから、経済的負担が少ないから資格を取り、人生の糧にしようと思っていた人は、目標を奪われた。これらの人が来年1月の受験に向け再度気持ちを奮い立たせ、環境を整えるのがどれだけ難しいか。県が人生設計を狂わせた。受験生と県民に真摯に謝罪すべきだ。(足立智和)
 

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