県の「丹波市域の医療提供体制のあり方検討会」の3回目の会合が開かれるのを前に、丹波市が開いた地域医療フォーラム。基調講演が終わり、辻重五郎丹波市長が、「1病院で医療提供することが望ましい」と、県立柏原、柏原赤十字の両病院の統合を望むと述べた。
「2病院それぞれに医療提供する」との県知事の方針に従ってきた市長が、「1つにする」と180度反対方向に舵を切った。
会場にいた市民から、強い反対意見は出なかった。同様に賛成意見も出なかった。市民の意見は、フォーラム開会前に会場で紙に書いて提出するやり方で、市長が登壇した時点で回収が終わっていた。賛否を言う場面がなかった。
このフォーラムを踏まえ、24日の検討会で、市長は「市民の反対はなかった」と言うのだろうか。それは、あまりに「なし崩し」的に過ぎないか。フォーラムでは、この件について議論はなかった。市民の意見という裏づけがまだない。
市長は、方向転換の理由を説明し、改めて市民に賛否を問う機会を持つべきだ。(足立智和)