「なし崩し的」に違和感

2012.10.06
未―コラム記者ノート

 県のあり方検討会が、県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合が望ましいとする旨を、知事に提出する報告書に盛り込む見通しになっている。丹波新聞社が2007年に丹波の森公苑で開いた医療フォーラムでパネリストが提起し、08年に神戸大学も県に提起した懸案に、一定の道筋がつきそうなところまで来た。
 2病院統合の必要性は十分理解しているが、理解に苦しむのが、2007年以降、2病院支援を打ち出してきた丹波市長の方向転換だ。それに対する市議会の反応も、拍子抜けするほど静か。支援は「1病院に」「両方に」と、議会を2分し激しく戦わせてきた議論は何だったのか。費やした時間、投じた公金が妥当だったのかどうか、市長、市議の総括を聞いてみたい。
 市長は、経営やスタッフ集めの困難さ、病院の建て替え費の問題を「統合が望ましい」とする理由にあげているが、これらの問題は07年、08年当時から指摘されていたことで、当時と今とで、さほど状況に変化はない。「なし崩し的」に物事が決まっていっていると感じている。この空気を、大きな違和感を持って受け止めている。(足立智和)
 

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