聞き覚えのない携帯電話の音で目を覚ました人がどれだけいただだろうか。私自身、東北以外であの音を聞いたのは初めてだった。
4月13日午前5時33分ごろ、淡路島を震源とするマグニチュード6・3の地震が発生し、丹波地域でも震度3―4の揺れを観測した。
「目覚ましをセットし忘れていたので、ちょうど良かった」とは、洒落にならない知人の話。その危機感のなさに目が回りそうになった。
今回の地震で、まず頭をよぎったのは、「ついに南海、東南海地震が起きたのか」ということ。次いで、そうだった場合、「太平洋沿岸部に東北を襲ったような津波が押し寄せたのだろうか」ということ。同じ感想を抱いた人は多いはずだ。結果的に大規模災害を招くことはなかったが、あれが大震災だったならと思うと、背筋が寒くなる。
非常に言いづらいことではあるが、あえて言う。ヒヤッとしたならば、また備えを。気にしなかったのならば、認識の甘さを戒めて。このタイミングで起きた地震の意味は想像以上に大きい。天災は忘れたころにやってくる。(森田靖久)