会うのが楽しみに

2013.05.01
未―コラム記者ノート

 先日、丹波市内の中学校を訪れたときのこと。中学時代、野球部の顧問だった先生にお会いした。叱られたイメージしかなかったので、会うなり突然怒られそうな恐怖と戦いながら、先生と目を合わせた。卒業以来、10数年振りの再会だったにもかかわらず、先生は覚えていてくれた。もともとパワフルな先生だったが、先生の見た目はまったく変わっていなかった。
 部活の時間が来るのが嫌になるほど、練習、というより先生が厳しかった。徹底的に頭を使う練習を行い、ノックや打撃練習でも必ずランナーをつけ、手を抜いたプレーはとんでもなく叱られた。真夏に1日中練習した後の、ベースランニング5周はきつかった。当時の私にとっては、先生は「恐怖」の存在でしかなく、今でも練習で叱られる夢をみるくらい。先生の夢をみた朝は、少し気分が沈む。
 久しぶりに再会した先生は笑顔だった。私の肩を叩きながら話す先生は「またよろしく頼む」とにっこり笑った。次にお会いするのが楽しみだ。
 ただ、時折先生が見せる鋭い目は、10年以上たった今でも少し「びくっ」となった。(田畑知也)
 

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