「二刀流の剣士」

2013.06.29
未―コラム記者ノート

 丹波市剣道連盟の100回目となる剣道大会を取材した。実は私、これまで剣道をしたことがない。そればかりか、恥ずかしながら剣道の試合を見るのも初めてだった。
 大会でひときわ目を引いたのは、二刀流の剣士が1人いたことだ。左手に短い竹刀を持って体の前で構え、右手には長い竹刀を持って頭上に構える。その剣士が登場すると、二刀流見たさに、観客も集まってきた。
 「二刀流ってありなん?」と思い始めると、なぜ二刀流なのかと質問したくてうずうずしてきたので、試合後に突撃取材を試みた。三田市から参加していた二刀流剣士の尾濱哲也さんは、年を重ねるごとに踏み込みの速さが鈍り、駆け引きを覚えるために二刀流にしたという。基本的には短い竹刀で相手を崩し、長い竹刀で攻撃する。
 尾濱さんは「二天一流武蔵会」というものに所属しているそうだ。剣豪の宮本武蔵を師と仰ぎ、二刀流を用いた剣道を実践し、研究する会。でも、尾濱さんは「二刀流は戦いにくい。竹刀1本で戦う方がよっぽど戦いやすい。人とは違うことをしたかったから」とほほ笑んでいた。(田畑知也)
 

関連記事