ネットの怖さ

2013.08.08
未―コラム記者ノート

 深夜の電話。友人は驚きと不安交じりの声で言った。
 「篠山で誘拐があったってほんまなん?」。思わず震えた。先に結論を言えば、真偽は未だ不明のままだ。
 警察へ問い合わせたところ、通報があったのは事実のようだが、未だに被害届も出ていないため、友達同士の悪ふざけの可能性もあるという。
 ほっと胸をなでおろしたが、問題は友人のネタ元。インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」だった。
 通報を知った人が「誘拐があったらしい」と投稿し、一気に情報が拡散。そして、「らしい」が取れて、「あった」に化けた。怖い、と思った。
 ネットへの投稿は何かと話題になる。一つの投稿に多くの人が批判を書き込む「炎上」騒動は毎日のようだ。一般人はもちろん、芸能人も議員も騒動を起こしている。
 いまやネットは生活に欠かせない。しかし、発信者には正しい使い方が求められるし、受信者は情報を正しく選択しなくてはならない。怖さを知った上で使うということだ。
 改めてそんなことを思っている間にも、新しい投稿が画面を埋め尽くしていった。(森田靖久)

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