藤枝明誠高校バスケットボール部の田畑淳君=1面、「時の人」=を氷上中学校卒業以来、2年半ぶりに取材した。
さあこれから、という矢先の入学3日目に練習試合で左ひざを故障。2カ月以上いすに座って練習を見ているだけだった。激しいチーム内競争に「置いて行かれる」不安感から、退部を考え、両親に相談した。「今辞めてどうするの」と励まされ、けがをいやし、2年生ではガードポジションでレギュラーをつかんだ。
2年生で2度のけが。3年では、主将と、日本代表に選ばれた後輩との競合ポジションにコンバートされ、「控え」を余儀なくされた。
小、中時代はエースで自分が点を取ってチームを勝たせていた彼に今の境遇をどう思うか聞いた。「起用されたら、点を取りたいが、自分がシュートを打つより、パスを出すことでもっと簡単に点が取れるならそうする。チームが勝つことが大事」とかえってきた。関西出身で「盛り上げ役」も担っているとか。
スタメンで出場するレギュラーだけでチームが成立している訳ではない。苦労の末つかんだ準優勝におめでとうと言いたい。(足立智和)