県知事選挙で4選を果たした井戸敏三氏が掲げた公約。丹波地域関連の具体的記載が少ないなか、県立柏原と柏原赤十字病院の統合の推進、県立柏原を若手医師の育成拠点とする、が明記された。
丹波市内の街頭演説で、県立柏原の西崎副院長の内視鏡検査を毎年受診していることを明かして支持者を沸かせ、統合病院の建設時期や位置に言及した。この問題に取り組む知事の強い意欲を感じた。
そんな知事に、僭越ながら、私の懸念を伝えたい。人口問題を抜きに統合新病院が論じられているが、これは、危うい。丹波市6・8万人と言うものの、市外流出があり、新病院の実患者人口はせいぜい4万人台だろう。これで、新病院を養うことや、若手医師の教育に資する数の患者を集めることが可能だろうか。
県立柏原の丹波地域2市の中核病院との位置づけが、統合後も変わらないのであれば、篠山を抜きに検討が進む現状を良しとはできない。
今なら、篠山を含め、名実共に丹波地域の中核病院が作れる可能性がある。「頼りになる病院を作る」と言った知事の力強いリーダーシップを期待したい。(足立智和)