色づき始めた山の木々たち。いよいよ秋の風情をしめくくる紅葉(黄葉)シーズンの到来だ。いち早く紅葉するケヤキが例年よりも濃い朱色に染まっているので、今年は美しい紅葉が期待できるのでは、と心待ちにしている。
篠山の紅葉スポットとして、洞光寺(東本荘)や王地山公園(河原町)などが知られているが、今年は、「高蔵寺」(高倉)、「文保寺」(味間南)、「大国寺」(味間奥)の天台宗三カ寺が「もみじ三山」を宣言。モミジの隠れた名所としてPR活動に乗り出した。今月末までに3カ寺すべてを巡ると、「もみじ三山朱印」が進呈される特典も用意されている。観光地の喧騒を離れて、ゆったりともみじ狩りを楽しみたいという人にはおすすめだ。
モミジの紅葉も悪くはないが、私はウルシをはじめとするその仲間、ヌルデやヤマハゼ、ツタウルシの紅葉が大好きだ。これらの木々はボリューム感に欠けるので、あまり注目されないが、山腹や山際を点々と鮮やかな赤で彩る情景に心動かされる。
四季のある国に生まれてよかったと、しみじみと思える秋のひと時が間もなくやってくる。(太治庄三)