ライフピアいちじまで行われた「丹(まごころ)の里ありがとう大賞」を取材した。仙台市在住の歌手、さとう宗幸さんと、丹波市エグゼクティブアドバイザーの村上信夫さんによる対談が行われ、東日本大震災について語り合う場面があった。
大震災が発生したとき、私は市島町にいた。「今、地震ありましたか」と、隣にいた人に確認するほどの揺れしか感じなかった。東北が大惨事になっていることを知ったのは、その数時間後のこと。テレビでは当然、どのチャンネルでも震災や津波関連の報道がされ、見れば見るほど怖くなった。テレビを直視できないほど、本当に怖かった。
自分に何ができるだろうか。そう考えた。何でもできたはずなのに、何もできなかった。何をしていいのかわからなかったからだ。一歩を踏み出せない自分の弱さが歯がゆかった。
対談の中で、「被災者は、震災のことを忘れられるのが一番怖いと思っている」との話があった。丹波地域でも、今も震災支援を続ける人たちがいる。せめて紙面を通して伝え続けることで、その一助になればと思う。(田畑知也)