丹波市春日町の足立瀧子さんが、42年間カメを飼育していると知り、紙面で紹介した(丹波市版5月18日号掲載)。同じ日の篠山版には、篠山城跡南堀にかつて咲いていたハスの復活を目的に、ハス消滅の原因とされている外来生物「ミシシッピアカミミガメ」を駆除するという記事が載った。ともにカメを扱った記事だが、対照的なニュースだ。
足立さんは生き物好きで、これまでに九官鳥や金魚、ザリガニなど数多くの生き物を飼っていたという。今は犬と猫、メダカが“家族”の一員。
一方のアカミミガメ。駆除作業に当たった専門家によると、篠山城跡南堀に生息するアカミミガメは、飼いきれずに捨てられた可能性もあるという。全国的にも生態系に悪影響を及ぼしているとして問題になっているというが、カメに責任はない。
足立さんは言う。「毎日観察をして、調子が悪そうだと思うと薬を与える。よく見ているからこそ、普段との違いに気づくことができる。捨てるのなら、最初から飼ってはいけない。家族の一員なんだから」。2つのニュースを続けて読むと、足立さんの言葉が重く聞こえた。(田畑知也)