文の里に学ぼう

2014.05.24
未―コラム記者ノート

 水着姿の女性の胸には「いいムネあります」。ウォシュレットに座り込んだ男性は「シャワーが止まらないんです」。洋服には「似合ってなければ口には出さず、顔に出しております」―。これは何かというと、肉、電気、婦人服、それぞれの店をPRするポスターの写真とキャッチコピーだ。
 大阪市阿倍野区にある「文の里商店街」がおもしろい。どこにでもありそうな下町の商店街がユニークなポスターを製作して、にぎわいを取り戻そうとしている。
 冒頭で紹介したように、これでもかとネタが詰め込まれたもので実に大阪らしい。笑いと人情味あふれるポスターの評判は上々で、新規の客も訪れているという。
 友人が文の里に住んでいたので遊びに行ったことがあるが当時もシャッターを閉めた店が多く、活気があるとは言いがたかった。その下町が取り組んだこのポスターは、まさに販売促進、経営戦略だ。
 どんな業種でも何もせずに生き残れる時代ではなくなった。不況、不況と愚痴っても始まらない。変わることの大切さをおもしろポスターが教えてくれている。(森田靖久)

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