今月初旬に春日スタジアムで行われた女子プロ野球の公式戦を告知しようと、8月に滋賀県のグラウンドまで取材に出かけた。普段はリトルチームが使用しているグラウンドとあって、黒土でもなければ芝が敷いてあるわけでもなかった。プロとはいえ、女子の野球環境は発展途上だ。そのときはまだ、私も女子選手も丹波市で豪雨災害が起きるとは当然思っていなかった。
災害直後から、選手やチームスタッフは被災地入りし、「復旧応援隊」として民家の泥出しや家財道具の運び出しに当たっていた。驚いたのは、試合前日にも被災地入りしていたことだ。「練習はしなくてもいいのだろうか」と心配せずにはいられなかった。
試合後に話を聞くと、「チーム練習は取りやめになったけど、個人トレーニングはやっていた」とのこと。「高校時代、丹波市で行われた硬式野球大会。本当にお世話になった。こんな形で恩返しというのも残念だが、少しでも役に立ちたくて」と話していた。
試合の翌日にもボランティア活動に励んでいた選手たち。私たちの故郷をこんなにも大切に思ってくれる人がいてうれしかった。(田畑知也)