10日、大津市の近江神宮で小倉百人一首競技かるたの日本一を決める「名人位決定戦」が開かれ、篠山市乾新町出身の岸田諭さん(27)=京都市=が3連覇を果たした。
対戦相手は、東京大学かるた会所属の35歳(愛知県豊田市)。スピード感のある攻めかるたが定評の猛者だ。
岸田さんは終始落ち着いて試合を運び、1、2回戦を圧勝。3回戦は緊張が解け、本来の力を取り戻した挑戦者に主導権を奪われ、落としてしまった。しかし迎えた4回戦、名人の威厳が炸裂。1音目からの反応の鋭さが高まったように感じた。調子が上がってきた挑戦者の動きを電光石火のスピードと「囲い手」などの技を駆使して封殺。集中力を切らすことなく3勝1敗で2度目の防衛に成功した。
岸田さんが所属する篠山かるた協会の子どもたちも応援に駆けつけていた。岸田さんのかるたに取り組む姿勢をどのように見ていたのだろう。コメントを求めると、「僕のあこがれの存在」「将来、私も岸田さんのように」と目を輝かせていた。名人という大きな存在がそばにいることに大きな喜びを感じているようだった。(太治庄三)