実家から篠山へ

2015.04.11
未―コラム記者ノート

 昨秋から続けてきた実家暮らしを終え、篠山での生活に戻る。過疎のまちから、にぎやかな篠山に戻ることで、春の陽気に誘われた虫のような気分ではあるが、少しの寂しさを感じないわけでもない。
 この半年、特段、家の手伝いをするでもなく、「疲れた」と言って帰り、休みの日にはゴロゴロしていた私。家族からすれば、荷物が一つ増えただけだったかもしれない。
 ただ、私にとって良かったのは、「地域での生活」を間近で見られたこと。冠婚葬祭、村用、近所づきあい。もちろん以前からのことだが、三十路を超え、地域で仕事をさせてもらっている身としては、今さらながら勉強になることが多かった。地域で生きていくということは、大変だと実感したし、今、実家を離れて暮らしている人には、ぜひ半年ほどの帰郷をおすすめする。
 「なんぼ飲むねん」と突っ込みたくなる父。いすに座ったまま寝る母。こちらは勉強にならなかったが、少しだけ笑えた。
 並んでテレビを眺める両親の後ろ姿に心の中で声をかける。父上、母上、お世話になりました。またよろしく。(森田靖久)
 

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