4月に取材で黒井城址に登ってから、仕事に加えてプライベートでも山に入る機会が多くなった気がする。「自分から進んで」ということはないのだが、登山好きの知人が誘ってくれるからだ。世間では山登りがはやっているのだろうか。「そろそろ登山グッズを一式そろえた方がいいかな」と思案を巡らせている。
つい最近も誘われて、初めて鬼の架け橋まで登った。わきあいあいと登り始めたものの、頂上間近では息も切れ気味。愛好家からすれば、さほど高くない山なのかもしれないが、自然と口数は少なくなり、運動不足を実感した。
道中、ふと目を上げると新緑が美しく、「もうすっかり初夏やな」と季節の移ろいを感じた。野生のリスにも出会え、思わず胸が高鳴った。山の魅力に気づかされつつあるのかもしれない。
名前は知っていても、実際に訪れたことがない名所は意外と多い。それが山であっても、史跡であっても、その魅力は自分で行って初めて感じるものなのだろう。
自然が豊かな丹波地域。安全にさえ気を付ければ、遠くに行かずとも楽しめる場所は多いのだ。(田畑知也)