45年のロングセラー

2016.02.20
未―コラム記者ノート

 1面「ひと」でインタビューした丹波乳業の吉田拓洋社長の牛舎が近くにあり、前を通ると、気持ちよさ気に寝そべって、くつろいでいる牛が見える。子どもの頃から身近なところに牛がいた。牛がいるのが「当たり前」と思っているが、酪農家も黒毛和牛の繁殖農家も減る一方で、当たり前の光景は「珍しい光景」なのかもしれない。
 製造が好調でも、原乳が減れば立ち行かなくなるのではないかと質問したが、丹但酪農は、生産者の数こそ減っているものの、搾乳牛を増やす酪農家があり、原乳生産量は減っていないのだとか。
 また、ホルスタインに和牛の種をつけるF1(食肉になる)に加え、ホルスタインに和牛の受精卵を移植する「借り腹」まで行われ、ホルスタインの数が近い将来大きく減ることが懸念されているが、丹但酪農はホルスタインにホルスタインの種をつける割合が高く、「乳牛不足」に見舞われる心配も少ないという。心強いことだ。
 1971年に丹但酪農の前身、氷上郡酪農農協が牛乳製造を始め45年。地元で製造されるロングセラー商品が続くよう応援したい。(足立智和)

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