バングラデシュで日本人を含む多くの人が犠牲になるテロ事件が起きた。
5年前、篠山市のNPO法人「P・U・S」のスタディツアーに参加し、バングラを訪れたことがある。事件が起きたダッカにも宿泊し、食事をし、土産物も買った。
「アジア最貧国」ともいわれる国。土ぼこりでかすむ空の下には、スラム街があり、バスが信号待ちになると手がない人や足がない人、赤子を抱いた母親が窓を叩いて物を売りに来た。子どもたちは早朝から新聞を売り、お金をくれと手を出してきた。
しかし、それは生きていくためで、過激な思想で人を殺すことを厭わないような人々ではない。たくさんの友人もできた。みんないい人だ。
テロによる風評で、彼らやバングラを支援する人々の活動に支障が出ないことを願う。
テロは許せない暴挙だ。ただ、テロは戦争の反射でもある。そして、大義名分をかざして罪のない市民を犠牲にすることは、テロも戦争も同じだと思う。おりしも参院選の最中。政治家の皆様。どうかこれ以上、この両方が起こらない世界を。(森田靖久)