6月30日放送のNHKテレビ「ファミリーヒストリー」。俳優、赤井英和さんの回を興味深く見た。両親が篠山市出身とは知っていたが、赤井家(母方)と土井家(父方)の歴史の糸を紐解いていくストーリーをうなりながら見ていた。
赤井さん自身、「丹波の赤鬼」と呼ばれた黒井城主、赤井悪右衛門直正が先祖と聞いて育ったそうだが、番組で直正の弟、幸家の子孫だったことが明らかになった。
驚いたのが、赤井さんの父、五郎さんが、松山海軍航空隊で予科練の若者に通信を教えていた事実だ。昨年の終戦70年特集で取材した池上隆一さん(97)=丹波市氷上町=も、同時期かその前後に、同じ場所で通信を教えていた。存命の池上さんに、五郎さんの名前を聞いたことがあるか、確かめてみたい。
番組でかつての教え子が、五郎さんが手を上げているのを一度も見たことがない、優しい教官だったと述懐していた。池上さんも特別優しい教官だった。松山に赴任した2人の丹波地域出身の通信教官がそろって教え子思いの異端の教官だったという符合に胸が熱くなった。(足立智和)