今日12月25日は子どもたちが待ちに待ったクリスマス。私もかつてサンタさんからプレゼントをもらっていた。ただ、わが家を担当するサンタさんは少し変わっていた。
小学校の低学年だったと思う。友達が持っていた野球盤が喉から手が出るほどほしかった私はサンタさんにお願いした。しかも、「消える魔球」ができるものを、だ。
うきうきして目覚めた25日、私の枕元には日本昔話全集が置かれていた。「ちゃう!」とサンタさんに突っ込みを入れ、ひとしきり泣いたことを今でも覚えている。
海外にはいろいろなサンタさんがいるようで、良い子にはプレゼントを、悪い子には炭やジャガイモを置いていくブラックサンタもいるらしい。
日本昔話をくれたのは黒い方だったのかとも疑ったが、後に全集はすべて読み、今でも内容を覚えている。思えば、私が読書を好きになるきっかけだったのかもしれない。
読者のお子様たち。ブラックサンタが来ないように良い子でいよう。それから一見、ブラックに見えるプレゼントも、君たちのためを思ってのものかもしれないよ。(森田靖久)