漱石に再会

2016.12.15
未―コラム記者ノート

 いまさらながら、今年は文豪・夏目漱石の没後100年にあたることを知った。本屋では「漱石フェア」も行われている。“ブーム”に乗ったわけではないが、最近、「吾輩は猫である」を読み始めた。
 読書に興味を覚えた中学1年生のころ、「何やら聞いたことがある」という理由で、この作品を読もうとした。親にせがんで本を買ってもらったが、当時の読解力では読み進めることができずに挫折。以来、自宅の本棚で眠り続けていた。約15年ぶりに手に取ったが、その横には「こころ」「坊っちゃん」の姿も。どれも読んだ記憶がない。すみません漱石さん、そのうち読みます。
 漱石は、知人への手紙に「功業は百歳の後に価値が定まる」「余は吾文を以て百代の後に伝へんと欲する野心家なり」などとつづっている。100年を経た今でも、読みたいと思える漱石の作品。文豪とはいえ、個人的には何となくとっつきやすそうな印象がする作品群が、そう思わせるのかもしれない。
 ちなみに、来年は漱石の生誕150年にあたる。しばらくは読む本に困ることがなさそうだ。(田畑知也)

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