篠山市議会の議員が、消防団員として地域を巡視する際に子どもを消防車に乗せていたことが問題になった。
「それくらい良いではないか」と言う声があるのも事実。だが、服務規定違反に当たり、公人としての立場もあって、責任を追及されることは致し方ない。同議員は務めていた委員長職を辞任し、団員としても何らかの処分が検討されている。
この問題で最も危惧すべき点は、消防団員に対する影響だ。「それくらい」と思ったことで処分されるのなら、「辞めてしまおう」という人が出るかもしれない。あるいは、ただでさえ忙しい消防団への入団の壁になる可能性もある。
普段、仕事をしながら、火災や災害が発生した際に力を発揮する消防団にはいつも頭が下がる。安全で安心な地域づくりに欠かせない大切な組織であるし、団員同士の、つまり、地域住民同士の親睦を深める意味でも貴重な場だ。
この一件で消防団組織に影響が出ないよう祈るばかり。本来の消防団活動に対しては、誰もが感謝しかないはずだから。(森田靖久)