代役の畑管理人

2017.03.25
未―コラム記者ノート

 昨年の夏前、京丹波町に住む義父の歩行が不自由になり、趣味の家庭菜園ができなくなった。家の前にある、25平方ほどのささやかな畑。暑くなるにつれて雑草が伸び放題になり、手が付けられない状態に。夏を越すと、義父に代わってトマトやキュウリなどの支柱は取り除いたが、ほとんど手入れもできないまま年を越した。
 今年こそはと管理を決意。丹波市から毎日は通えないので、栽培をするのは難しい。せめて草の少ない状態を保ちたい。まずは草引きと、張りっぱなしでボロボロになったマルチの撤去から始めた。
 母屋の窓からひょっこり顔を出し、作業のアドバイスをくれる義父。まるでベンチに陣取る監督のよう。ところが土は固く、地を這う草がはびこってマルチがはがせず、思うように進まない。小さな畑なのに、マルチ撤去とミニ耕運機で土を耕す作業に半日以上もかかった。農家の大変さを、身をもって知った。
 良い野菜を育てたいなど、“ぜいたく”は言わない。義父が再び歩けるようになる日までの代役として、草のない畑にしなければ。何か良い方法はないかなぁ。(田畑知也)

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