閉校ネットワークを

2017.04.06
未―コラム記者ノート

 先日、篠山市の多紀中学校跡を活用した篠山チルドレンズミュージアムに行った。サクラがちらほら咲き始めた季節がそう感じさせたのか、多紀中の卒業生でもないのに、建物の一角、何でもない壁の傷にふと母校を思い出す。
 丹波市青垣町の4つの小学校が統合し、「青垣小学校」が誕生した。今後、3つの小学校跡地を抱える地元では、校舎の活用検討が本格化していくことだろう。昨年度末に閉校になった篠山市の大芋、福住小学校のある地元でも協議が続いている。
 ふるさとを思い出すとき、まず頭をよぎるのは、学生時代の友人であり、思い出である。その思い出を輝かせる“大道具”として欠かせないのが、母校の教室であり、廊下であり、壁の傷だ。
 Uターンを促そうと模索が続く丹波地域。母校を廃墟にしないための地域の人たちの工夫、アイデアがUターン促進という大きな行政テーマに直結している。母校でなくても懐かしさが感じられる学校だからこそ、閉校校舎間のネットワークを構築し、機能や特徴を補い合い、来客を誘導し合うような取り組みも必要ではないか。(芦田安生)

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