大人の仲間入り

2017.05.20
未―コラム記者ノート

 初めて草刈り機を使った。田舎育ちとはいえ、何かと田んぼの草刈りに駆り出される長男と違って、次男は農家でない限り草刈り機に縁がない気がする。我が家も例外ではなく、今まで使ったことがないばかりか、エンジンの稼働方法も知らなかった。
 連休前、足が不自由な義父宅の草が伸び放題になり、草引きでは手に負えない状態になっていた。「いっそのこと」と思って草刈り機を手に取ったものの、そもそも燃料が何かすらわからない。「うちのは混合やで」と義父。ついでに「エンジンのかけ方も教えて」とせがんだ。
 義父から即席の講習を受けたものの、さすがに初心者に使わせるのは心配だったのか、ひょこひょこと杖を突きながら出てきた。顔に不安が広がる義父に見守られながら草を刈ってみると、これが難しい。根元を刈ろうとすると歯が地面に当たって石が飛んでくることもあるし、かといって上の方だけ撫でていては意味がない。上達には時間がかかりそうだ。
 技術はまだまだだが、遅ればせながら田舎の大人の仲間入りを果たした気分になった。(田畑知也)

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