先日、丹波の森公苑で開かれた首都大東京教授の憲法学者、木村草太さんの講演会は主催者発表で600人の大入り満員だった。報道番組に出演し、お茶の間に顔が売れているとはいえ、前売り800円の入場料を払って憲法の話を聞こうという人が、こんなにいるのかと驚いた。
膨大な講演の内容の全ては掲載できず、9月10日号で憲法9条部分に絞ってまとめたところ、護憲派、改憲派双方から反響があった。木村さんの考え方、解釈に必ずしも賛同しない人も「おもしろい話だった」と話していた。
会場からの質問「違憲の法律が放置されている。おかしいんじゃないか」への回答「憲法違反の法律が放置されるのは珍しいことではない」にはドキッとした。憲法違反の法律を是正したいと考えるなら、時間がかかるかもしれないが、是正できる政治家を選んで、世論を盛り上げるしかない、という事だった。
スキャンダルまみれの国会に、立法府の本来の役割を果たしてほしいと思うと共に、要は、憲法や法律を生かすも殺すも国会議員を選ぶ有権者一人ひとりの考え方、と納得した。
(足立智和)