街中、妖怪だらけ

2017.09.25
未―コラム記者ノート

 鳥取・境港市へ家族旅行に出掛けた。境港は「ゲゲゲの鬼太郎」をはじめとする妖怪まんがの先駆者、水木しげるさんの出身地。私も、小学生のわが子2人も妖怪好きということで、旅の目的地を妖怪をテーマにした商店街「水木しげるロード」に設定した。

 高速道をひた走ること約3時間で目的地に到着。約800メートル続く水木ロードをそぞろ歩くと、水木さんが描いてきた妖怪たちが171体の銅像となって賑やかに出迎えてくれた。

 この場所はもともと、観光客誘致が目的ではなく、シャッター通り解消に向けた地元商店街の活性化のため、1993年に整備したのだという。しかし、いまや鳥取砂丘と肩を並べる一大観光地にまで成長。そうでありながら、がちゃがちゃとせず、ひなびた風情をとどめているところに好感が持てた。さらには、軒を連ねる土産物屋いずれもが鬼太郎をコンセプトにした商品を扱い、交番、郵便局、マンホール、自動販売機、街灯など街中のあらゆるものに妖怪のデザインが施され、右も左も妖怪だらけ。その徹底したまちづくりに感心させられた。(太治庄三)

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