ブランドって何だ

2018.12.02
未―コラム記者ノート

 つい先日まで、篠山市のあちこちで「ブランド」という言葉があふれていた。ある農業関係者から聞いた、産地とブランドの違いについての話が興味深かった。

 例えば、篠山市特産の黒大豆。他に大量に栽培する地域が現れれば、産地の座は奪われる。でも、その産地の黒大豆がおいしいかというと、必ずしもそうではない。都市部の消費者にウケているのは産地の野菜ではなく、生産者が丹精して作る露地野菜。ただ、露地野菜は流通の上では安定していない。そこで問われるのがブランドで、その地域“らしさ”を追求していかなければならないという。

 市名変更の是非を問う住民投票が行われた際、20歳代の若者からは、「『次の世代にブランドや誇りをつなげたい』と言われても、ピンとこない」という声を聞いた。一方で、「わしらは『丹波』で大きくしてもろた」と話してくれたお年寄りがいた。ブランドとは、地域の人たちの生活に染み込んだものなのだろう。

 若者たちがピンと来なくなった今、再び「ブランドって何だ」と問い続けることが求められているのかもしれない。(芦田安生)

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