タコ料理でバッシュ考案? アシックスの「創造力」紹介 社員が創業者を語る

2020.01.27
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「創造力」について語る岩田さん=兵庫県丹波市春日町野村で

創造力を養おってもらおうと、兵庫県丹波市の春日中学校でこのほど、スポーツ用品メーカー「アシックス」(本社・同県神戸市)の社員2人による出前授業が行われた。県の「プロから学ぶ創造力育成事業」の一つ。「人はなぜ走る?アシックスのものづくりの原点とは」と題し、創造力を高める大切さなどを伝えた。

同社渉外チームの岩田茂太さんと中村優里さんが講師を務めた。

岩田さんは、同社の前身にあたる「鬼塚商会」を立ち上げた鬼塚喜八郎氏の創造力について紹介した。鬼塚氏は創業当時、バスケットボールシューズの開発に着手。学生の練習を観察し、どのようなシューズにすればよいかを研究し、急ストップ、急発進が求められることに着目したという。ある日、タコの酢の物を見て、吸盤をシューズに応用できないかと試作。靴裏に吸盤のような形状を施し、グリップ性能を高めたと紹介した。

鬼塚氏はマラソンシューズの開発にも挑戦。当時は「足袋」のような形状をしたシューズが主流だったが、足にマメができやすいという欠点があった。専門家に聞くと、靴の中で「衝撃熱」が発生していることが原因と分かり、着地すると空気が抜け、足を前に運ぶ際には空気が入る靴「マジックランナー」を開発。岩田さんは「この発想はバイクの空冷式エンジンに着想を得たもの。アイデアは磨けば光る」と話した。

最後に、岩田さんは「創造するとき、大事なのは問題意識を強く持つこと」と力説。また、夢と目標の関係についても語りかけ、「夢に期限と程度を加えると具体的な目標になる。つまり、現実化させてほしい」と話していた。

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