木の根の一部が橋のようになって川にかかり、「木の根橋」の愛称で親しまれている兵庫県指定文化財の大ケヤキのせん定がこのほど、3年ぶりに行われた。樹木医がクレーンで吊るされたゴンドラに乗り、枯れた枝を目視確認の上、切っていった。
樹齢1000年とも推定される巨木。根の1本が太く成長し、真下を流れる奥村川をまたいでいる。
以前から根がナラタケモドキ病におかされており、樹勢が少しずつ衰えている。2月に同病気の菌の拡散を防ぐ治療を行ったグリーンメンテナンス(大阪府)が、せん定作業も行った。
21メートルの樹高があり、電線も張り巡らされているため、クレーン会社が40メートルブームを伸ばした先に取り付けたゴンドラで上空から降下し作業。直径30センチほどある太い枝も2本枯死しており、取り除いた。
「グリーン―」社社長で樹木医の信原元樹さんは、「根の病気が原因で水分や栄養の吸い上げがうまくいっておらず、先が枯れてきている。落下の危険がある部分は取り除いた」と話していた。
生きている枝は、先端でも年間10センチ近く成長しているが、栄養不足で太れなくなっており、枝を調べると、年輪の間隔が、髪の毛くらいの細さの年が長く続いており、満身創痍の状況にある。