協力金「かなりのもうけ」 地方居酒屋の受け止め 緊急事態宣言再発令受け

2021.01.18
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2度目の緊急事態宣言で第一に掲げられた飲食店や遊興施設の営業時短。営業は午後8時までとし、酒類の提供は午後7時までとすることを要請されている。対象となる業種で要請に応じた店舗は1日あたり6万円の協力金が支給される。対象地域になっている兵庫県でも、神戸市などから距離があり、人口が少ない丹波地域(丹波市、丹波篠山市)の飲食店や遊興施設は今回の要請をどう受け止めているのか。

県は当初、措置の範囲について、感染者の多い都市部を想定し「地域限定になる」としていたが、方針を転換し、「県内全域」とした。感染者数が比較的少ない丹波地域などでも人口当たりの感染者が増えていること、大阪や京都も全域を対象としているため同一歩調をとることを理由に挙げた。

ある飲食店は、コロナ禍以降、客足は減少傾向で、今回の緊急事態宣言については、「してもしなくてもお客さんは来ない」と話す。

一方、協力金については、「この辺りで1日6万円の売り上げはかなりのもの。とても助かる」と話す。

別の居酒屋も、「市内の小規模な居酒屋にとって、正直、仕入れなしで1日6万円はかなりのもうけ」と歓迎。「でも、家賃が高い都市部や大きな店にとっては6万円ではきついはず」と言う。

ただ、こちらも昨年3月以降、前年度比で売り上げを上回った月は一度もなく、忘年会シーズンの12月は例年の4割にとどまったことから、「この1カ月だけを見ればおいしい話だが、全体で見れば売り上げはかなり落ちている」と話す。

別の居酒屋では首都圏で同宣言が発令された7日頃から客足が急激に鈍り、売り上げは例年の2割までに落ち込んだ。さらに、例年3連休(9―11日)で多くの客を集めた成人式も延期になった。今回の営業時短要請で「酒類提供は7時までなので、お客はほぼゼロになるのでは」と話す。ただ「店を閉めると雰囲気が暗くなる。テークアウトを増やすなど、できるだけのことをして店を開けておきたい。協力金の一律支給は議論があるが、とにかく助かる」と話す。

あるカラオケ店では昨年6月以降、売り上げが前年比の3割減。首都圏1都3県での緊急事態宣言発令後の7―13日では半減と厳しい状況が続いている。同店は「終息のためには、本来、休業をしなければならないと思う。けれど店を開けないと赤字。休業していても、家賃など、かかるものはかかってくる」と複雑な胸のうちを明かす。

協力金の支給については「全てをまかなうことはできないが、多少でも出ることはありがたい」と話す。

一方、居酒屋以外の業種からは、「都市部と丹波地域を同じ扱いにするなんてとんでもない話で、泡銭の取り合い。本来は医療機関にお金を投入すべき」との声も上がっている。

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