「ちちんぷいぷい」木札に 縁起良い春日局の言葉 泣き虫の家光を鼓舞

2023.11.04
地域

春日局が幼い家光に唱えていたとされる縁起の良い言葉をあしらった木札=兵庫県丹波市春日町野上野で

江戸幕府の第3代将軍・徳川家光の乳母を務めた、兵庫県丹波市春日町生まれとされる「春日局」の菩提寺、麟祥院(東京都文京区)が、丹波市産のクリ材を使った木札を作った。春日局が泣き虫だった幼少期の家光に唱え、鼓舞したと伝わる縁起の良い言葉「智仁武勇 ちちんぷいぷい 御代の御宝」をあしらった。

寄席文字・江戸文字書家の橘右之吉さんが揮ごう。ひも付きで、温かみのあるクリ材の木札(長さ約5センチ)に、筆太な文字が力強く浮かぶ。

智仁武勇の「智」は思考力、「仁」は思いやりや優しさ、「武」は行動力、「勇」は誠実、正直などの意味が込められている。春日局が、この言葉を「一生の宝」として家光を育てた逸話が庶民に伝わり、次第に「ちちんぷいぷい」に変化して広まったとされる。

同院の矢野宗欽住職(51)と橘さんが「春日局を知ってほしい」と発案。せっかくならゆかりのある丹波の木材を使おうと、春日局が縁で以前からつながりのある、株式会社やながわ(丹波市春日町)の柳川拓三社長(69)を介し、製材業を営む会社「イクジウッド」(同市青垣町)に手配してもらった。

同院で600円で販売している。柳川社長は「導かれるように良縁が広がっている」と話している。

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