秋晴れのように

2018.10.07
未―コラム記者ノート

 篠山市の特産、黒枝豆の販売が10月5日、解禁された。篠山市の“味覚の秋到来”を告げるこの日、話題の市名問題も、注目される住民投票に向けてスタートを切った。住民投票の実現に必要なだけの署名を集めた市民団体が、住民投票の実施を酒井市長に正式に請求。酒井市長は退職申し立てを行い、市長の出直し選挙と同時に行われることが確実になった。

 商工会やJAなどが市に要望書を提出したのを契機に、市長の辞職にまで発展した市名問題。皮肉にも住民投票条例を制定した市長が、住民投票の実施が確実となったタイミングで出直し選挙に打って出ることとなった。

 焦点は住民投票の投票率と、市長選挙に対抗馬がでるかどうか。住民投票は50%を切ると開票もされない。まさに民意が問われる。市長選が無投票なら酒井市長が望む「信を問う」ことにはならない。対抗馬が出て選挙戦になれば、今回は市名変更の是非を軸とした戦いが予想されるが、その一点で市長を選ぶことの危うさも感じる。

 まだしばらくは、さっぱりとした秋晴れのごとく、とはいかなさそうだ。(芦田安生)

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