言葉の端々に

2018.11.04
未―コラム記者ノート

 秋季近畿地区高校野球大会の準々決勝を取材した。お目当ては履正社のエースで氷上中学校出身の清水大成君、明石商業のエースで篠山東中学校出身の中森俊介君。ともにこちらの質問に的確に答えてくれたのが印象的だった。

 小学生から高校生までいろんなスポーツ選手に話を聞く機会がある。例えば勝利した感想を聞くと、小学生は「うれしかった」と、その時の感情をストレートに話してくれる。中学生になると、「気持ちで」「楽しんで」などメンタル面を意識したチームの合言葉とでもいうようなフレーズが出てくる。

 今回取材した2人は、調子の良し悪し、その原因、チームの中での役割など、一つひとつが具体的で、個人的な感想と、チームの中での個人をきちんと分けて話す。マウンドで躍動する姿よりも、その話しぶりにこそ「相当、鍛えられているんだろうな」という印象を受けた。その言葉の一つひとつは、悩んだり、試したりといった体験に裏打ちされたものなのだろう。

 丹波っ子たちの成長を言葉の端々に感じるのも丹波新聞記者の楽しみの一つでもある。(芦田安生)

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